抜歯が必要になるのはどんなとき?歯を守るために知っておきたいポイント

抜歯が必要になるのはどんなとき?歯を守るために知っておきたいポイント

いつまでも自分の歯で食事を楽しみ、笑顔で過ごしたいと思っていても、思わぬトラブルで歯を失うことがあります。大切な歯を守るためには、抜歯に至る原因を理解し、早い段階で適切なケアをすることが大切です。今回は歯が抜けてしまう主な原因と、歯の寿命を延ばすためのポイントをご紹介します。

 

歯を抜くことになる3つの主な原因

公益財団法人8020推進財団の調査によると、抜歯に至る3つの大きな原因は「むし歯」「歯周病」「破折(はせつ)」です。このうち「むし歯」と「歯周病」が全体の7割を占めています。若い年代では「むし歯」による抜歯が多く、中高年以降は「歯周病」や「破折」が増える傾向にあります。

破折(はせつ)とは

破折とは、歯にひびが入ったり、割れてしまった状態のことです。特に、過去にむし歯治療で神経を取った歯は破折しやすくなります。ひびや割れが浅い場合は治療で歯を残せることもありますが、根の深い部分にひびが入っている場合や、縦に割れている場合は抜歯が必要になることが多いです。割れたままの歯を放置すると、細菌が入り込み、痛みや腫れの原因にもなるためです。

歯を失うとどうなる?

むし歯や歯周病、破折による痛みや腫れが治らない場合や、周囲の歯に影響を与える場合は、抜歯が避けられないことがあります。抜歯することで痛みなどのトラブルは解決しますが、歯を失うことで以下のリスクが生じます。

  • 噛む力が低下する
    歯を1本失うだけでも、食べ物を噛む力は大きく低下します。例えば、奥歯の第一大臼歯を1本失うと、噛む効率は約50%以下に落ちるといわれています。

  • 残っている歯に負担がかかる
    歯が1本なくなると、残った歯がその役割を補おうとするため、他の歯に負担がかかります。これにより、知らないうちに他の歯がダメージを受け、「歯の喪失ドミノ」が始まってしまうこともあります。

  • 歯並びや噛み合わせが悪くなる
    歯を失ったままにすると、周囲の歯が空いたスペースに向かって移動し、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼします。その結果、見た目や噛む力にも支障をきたす場合があります。

  • 治療にかかる時間や費用が増える
    抜歯後には、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで歯を補うことが推奨されますが、こうした治療には時間や費用がかかり、さらにその後のメンテナンスも必要です。

歯の寿命を延ばすためにできること

歯をできるだけ長持ちさせるためには、むし歯や歯周病を予防し、早期発見・早期治療を行うことが重要です。特に、定期的に歯科を受診し、口の中をチェックしてもらうことで予防効果が高まります。

生涯、自分の歯を使い続けるために

自分の歯で食事を楽しみ、笑顔を保つためには、毎日のセルフケアに加え、3~6か月に1度の歯科検診を習慣にしましょう。当院ではむし歯や歯周病の検査に加え、クリーニング(歯石除去)や歯磨き指導、生活習慣のアドバイスなども行っています。これらを参考に、日頃から歯の健康を守る習慣を身につけ、いつまでも健康な歯で過ごしていきましょう。

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