予防歯科のススメ 2018年1月 No.2

予防歯科のススメ 2018年1月 No.2

『歯がしみる』時は、放置は危険。

知覚過敏が原因の場合 知覚過敏というのは、虫歯が原因ではないのに歯が刺激に対して過敏になり『しみる』という症状を感じてしまう状態です。知覚過敏を引き起こす原因になるものに次のようなものが挙げられます。①  歯茎が下がった 知覚過敏を感じる人のほとんどは、歯茎が下がることが原因となっています。そして、歯茎が下がる原因の多くは、歯周病です。健康な歯茎の場合、歯茎から露出している歯は、歯に問題がなければ、通常エナメル質で覆われているため、しみることはありません。ですが、歯周病が進行するにつれ、歯を支えている骨が溶けて、それに伴い歯茎も一緒に下がっていきます。するとそれまで歯茎に覆われていた歯根が出てきてしまいますが、歯根にはエナメル質が存在しないため、刺激を敏感に感じてしまうのです。また歯茎の下がりは乱暴なブラッシングでも引き起こされます。力一杯磨いていたり、硬い歯ブラシを使用したりしていると歯茎が痛んで下がってしまいます。その他、加齢によってもある程度歯茎は下がってしまうことがあります。 ②くさび状欠損 歯ぎしり、食いしばりのような強い力が歯にかかり続けると、歯の根元部分に力が集中し、歯の根元部分がくさび形にかけてくることがあります。このような状態になると、欠けている部分からしみやすくなります。 ③歯に入った亀裂 噛み合わせの力が強かったり、歯ぎしりの癖があったりする場合、歯に細かい亀裂が入ってきます。亀裂の程度によっては外侮からの刺激を敏感に感じてしまうことがあります。 ④歯牙酸蝕症 歯牙酸蝕症というのは、酸っぱい食べ物や飲み物、もしくは胃液の逆流によって歯が溶かされてしまうものを言います。歯のエナメル質は体の中で最も硬い部分ではありますが、酸に対しては大変弱く、日常的に酸性食品(酢、ワイン、柑橘類、炭酸飲料など)を多く取っている人、逆流性食道炎がある人は歯が徐々に溶けてしまいやすく、程度に応じて歯がしみてくることがあります。 ⑤虫歯を治療した後の知覚過敏  虫歯を治療した後は、虫歯を削った刺激が加わることもあり、数日は冷たいものでしみやすくなります。ですが、この症状は通常自然に落ち着いてきます。そして虫歯が神経に近い場合は、治療後のしみる症状がとても強く出てくることがあり、回復するまでにも期間を要することがあります。しみる症状が落ち着かずひどくなってくる場合には、やむを得ず、神経を取らなければならないこともあります。 歯がしみる場合の対処法 歯がしみる症状が続いている場合、まずはその原因を知ることが必要です。『しみているから知覚過敏に違いない』などと自己判断して放置しておいた結果、実は大きな虫歯が原因であった、というようなケースもあるため、しみる症状がある場合には、一度歯科医院で診てもらうことをお勧めします。特に大人の虫歯の場合、歯と歯の間や詰め物の下など、見えにくい場所からの虫歯が多くなってくる為、『自分には虫歯はない』と決めつけるのは大変危険です。しみる症状の原因によっては治療方法は変わってきます。虫歯の場合には早急な治療が必要になりますし、知覚過敏が原因の場合には、知覚過敏を抑える塗り薬や材料を使用する、歯ぎしりがひどい場合などは、歯に負担をかけないようなマウスピースを作るなどのような対処が一般的に行われます。また家庭での知覚過敏用歯磨き粉を持続的に使用することで、知覚過敏が和らいでくることもあります。 まずは歯科医に相談してください

 

 

 

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