健康寿命を左右する「オーラルフレイル」
近年は平均寿命が男女とも80歳を超え、寿命の長さと合わせて健康寿命が大変重要であると言われています。
高齢になっても医療や介護にたよらずに、自立した生活を送れる期間が健康寿命です。
少しでもその時期を延ばすにはどうしたらいいのか。健康寿命に大きな影響を与えるものとして「オーラルフレイル」があります。「オーラルフレイル」について理解して、健康な生活を送りましょう。
オーラルフレイルとは
オーラルフレイルはオーラル(お口)とフレイル(虚弱)を合わせた造語です。お口の機能が低下していく段階(レベル)で表します。フレイルは心身の衰えにも使われ、フレイル予防の3つの柱が提唱されています。そのひとつに噛む・飲みこむなどの口腔機能の低下があります。
「噛みにくい」「むせやすい」といったトラブルから食欲が低下するなど、やがて心身の機能低下につながってしまいます。フレイル予防のためにも、オーラルフレイル予防の実践が大切になります。
オーラルフレイルの4つのレベル
第1レベル
高齢になるとともに環境の変化や社会参加への意欲が失われたり、孤立したりする方が増えます。それが原因となり、自身のお口をキレイにすることに無関心になり歯を失うリスクが高まることにつながります。
第2レベル
滑舌が悪くなる・食べこぼしが増える・むせやすいといった衰えを感じはじめます。「年だから仕方ない」とあきらめてしまい、噛むのが楽なやわらかい食品を選んで食する方も多いです。それが習慣になるとさらにお口の機能低下が進んでしまうことになります。
第3レベル
噛めない・飲み込みにくいなど、医療の介入を考える段階になります。歯科医院で「口腔機能低下症」と診断される方が多くなります。
第4レベル
お口の機能低下がさらに進行し、栄養を取ることが難しくなってきます。低栄養の状態が続くと身体的なフレイルが加速し、最終的には要介護状態に至ってしまいます。
オーラルフレイルは予防が大切
老化は自然現象であり、生きていく過程で避けることができません。
老化による衰えを見逃さず、早い段階から意識的に改善していくことが大事です。そうすることによって、老化のスピードをゆるめたり、失われつつある機能を回復させたりすることができます。お口の健康や機能に対する高い意識を持ち続け、オーラルフレイルを予防しましょう。
お口に関して、気になること、困っていることなど、気軽に相談できるかかりつけの歯科医院を持つことも大切です。お口のささいな衰えに不安を感じたときは、おおたデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。