顎に違和感…もしかして「顎関節症(がくかんせつしょう)」かも
顎に違和感…もしかして「顎関節症(がくかんせつしょう)」かも 厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成28年)によると、成人のおよそ7人に1人が「口を大きく開けたときに顎の音が鳴る」という経験があることがわかりました。これは「顎関節症」の症状の1つです。今回は、「顎関節症」について詳しく説明します。
「顎関節症」という病気
顎関節症は、顎関節の動きに伴う痛みや雑音、顎を動かす筋肉「咀嚼筋」の痛み、顎の違和感により口が開かないなどの症状をまとめた病名です。症状には個人差があり、発症した部位や種類によってⅠ型からⅣ型に分類されています。
「顎関節症」の代表的な3つの症状と原因
顎関節症の主な症状は大きく3つに分けられます。
顎が痛い
口を大きく開けたり食べ物をかんだりすると顎の痛みを感じる症状。「顎関節」か「咀嚼筋」の痛みが原因と考えられます。
顎を動かすと音が鳴る
口を開けた際に「バキン」「ガクン」といった音が鳴る症状。顎関節内部の「関節円板」の位置が前方にずれたことが原因と考えられます。
口が開きにくい
口が開きにくい症状。「関節円板」の位置がさらに前方にずれてしまい「下顎頭」がロック状態になったことが原因と考えられます。
「顎関節症」を引き起こす要因
顎関節症を引き起こす要因は大きく3つありますが、実際はさまざまな事が重なって生じる疾患と考えられています。
かみあわせ
生まれつきの歯並び、かみあわせの悪さ。
クセ
歯ぎしりや食いしばり、頬杖、爪をかむ、食べ物を片側でかむといったクセ。
ライフスタイル
重い物を運ぶ、コンタクトスポーツ、楽器演奏、歌唱、緊張が続く仕事や長時間のデスクワーク、硬いものをよく食べるなどの生活習慣。
「顎関節症」の治療方法
症状によって異なりますが、痛み止めや炎症を抑える薬を処方する治療法、筋肉のマッサージやストレッチによる理学療法、マウスピースを装着して顎関節や咀嚼筋の負担を軽減・矯正する治療方法が挙げられます。
「顎関節症」は定期検診で予防できます
顎関節症は、生まれつきの要因だけでなく日常のクセや食生活、仕事、趣味などが起因して発症する病気です。しかしながら、日常生活のなかで顎関節症の進行を自覚することは難しく、ある日突然痛みを強く感じるということがほとんどです。そのため、歯科医院の定期検診で口の開きや顎の調子などを継続してチェックすることが大切になります。