マスク生活で注意したい「お口の環境」
お口の違和感はマスク生活が原因なの?
新型コロナウイルス感染症の影響から生活に欠かせないものとなったのが「マスク」です。マスクには会話や咳などによる飛沫を防ぐ効果があるため、感染予防としての着用が徹底されています。しかし、一部のメディアやインターネットでは「マスクが原因でお口のトラブルが増える」といった情報が流れています。これは本当なのでしょうか?今回はマスクとお口のトラブルの関係についてご説明します。
マスク着用とお口の違和感
今のところ「マスク着用によってむし歯や歯周病のリスクが高まる」という科学的根拠はありません。まだ明確なデータは示されていないのです。ただ、マスク着用によってお口の違和感を覚える患者様がいます。実際、どのようなトラブルが発生しているのかみていきましょう。
乾燥
呼吸には鼻呼吸と口呼吸があります。マスクをすると息苦しさから口呼吸になる方がいるようです。口呼吸が続くと、お口の中は乾燥しやすくなります。
口臭
マスクをすると、吐いた息がその周辺にとどまるためニオイを感じやすくなります。
お口のトラブルの原因はさまざま
お口の乾燥や口臭といったトラブルはマスク着用が直接的な原因になるわけではありません。さまざまな原因が積み重なって生じるといわれています。
【原因1】唾液の蒸発
そもそも唾液には歯に付着した食べ物を洗い流すなど重要な働きがありますが、マスク着用によって口呼吸になると水分が蒸発しやすくなり唾液の働きが悪くなります。
唾液の働き
・汚れを洗い流す
・むし歯を防ぐ
・細菌の増殖を防ぐ
・消化を助ける
・会話や発音をスムーズにする
【原因2】会話不足
お口には、発音によって言葉をつくりコミュニケーションをはかる機能もあります。しかし、自粛生活から人と話す機会が減ると、唇、舌、歯、顎などを動かさなくなります。すると、お口への刺激が減り唾液を分泌する力も弱まります。
【原因3】むし歯や歯周病
むし歯や歯周病などがあると口臭が発生しやすくなります。
お口の健康管理は歯科医院で
マスク着用によってお口の違和感を覚えたら歯科医院に行きましょう。なかには、歯科検診を控えている方もいるかもしれません。また、インターネットの情報を頼りにする方もいるでしょう。しかし、インターネットの情報は誤りも多く、症状を放置すればするほどむし歯や歯周病のリスクが高まります。お口のトラブルは毎日のケアと歯科検診で予防できます。健康管理のために歯科検診を受けましょう。